もし私が大学1年生に戻り、「ひとつだけスキルを最大ゲージまであげれるとしたら?」と尋ねられたら、間髪おかずに「自制心」と答えるだろう。
会社経営をする26歳の私にとって、それほど自制心とは重要であり、人生を変えるツールであると思う。
自制心とは何か
自制心の定義と重要性
自制心とは、自分を制する心のことである。
もっと言うと、自分を制する心とは、目先の欲や楽に打ち勝つ力だ。例えば、酒やタバコによるドーパミンの放出(=欲)や、仕事終わりの事業作りから目を逸らすこと(=楽)、そのような脳を甘やかす物質や選択から、自らの意思で断ち切ることである1目先の欲や楽を取ることは、生物の生存戦略としては正しい。 エネルギーの温存は、生物として本来必要不可欠な選択だった。緊急事態に備えてエネルギーを備える怠け者だけが、危機に立ち向かえた。昼夜動き回りエネルギーが枯渇している人間より、怠けてエネルギーを温存している人間の方が、別の部族からの急襲などから逃げ切れる可能性は高いだろう。。
自制心を鍛えることで得られるもの
自制心を鍛えることでどのように良いのか。
それは、無駄な人生を過ごすリスクを最小化できることだ。
自制心がない生活とはつまり、欲望のままに酒を飲み、楽な方に流れ、無料のポルノに満足する人生を送ることだ。苦労や我慢の先にある達成感でドーパミンを出すよりも、酒でドーパミンを出した方がタイパが良い。そんなふうに世界を捉えるようになれば、人生で何かを成し遂げることはできない。
自制心を鍛えるとは、安易なドーパミンに逃げない心を保ち続けることに他ならない。
世の大半の人間は欲に塗れ、欲に溺れている。自制心を身につけることは、資本主義ゲームで勝つための必須スキルと言える。
自制心を鍛えるための方法
これから自制心を鍛えていきたいと思っている読者にとっては酷な話だが、自制心を鍛えるためには、自制をするしかない。毎日の欲望に打ち勝ち、努力を積み重ねるしかない。
自制心とは筋肉のようなもので、日々自制を重ねることで、自制心が強くなる。欲に打ち勝つ心は、最初はすごく弱い。しかし、自制を繰り返していくうちに、見違えるように強くなっていく。
例えば、私はお酒が大好きであり、昔は1人で飲む習慣があった。1人でお酒を飲む時間は至福なのであるが、脳内物質について調べている際に、ドーパミンが過度に放出されることの危険性を知った。
それ以降私は、お酒を控えるようになっているのだが、最も辛い時期は1日目だった。なぜなら、それまでの習慣が残っており脳が「夜になれば飲酒によってドーパミンを出せる」と教育されているため、本能的にアルコールを欲するから。
正直な話、何度もお酒に手を伸ばしてしまった。1本だけなら、と理由をつけてコンビニへお酒を買いに行くことがあった。
しかし、段々とその欲に打ち勝てるようになってくる。1週間もたてば、お酒のことを思い出さなくなる。
不思議なことに、つぎはタバコの習慣を辞め、間食を辞め、ベッドでスマートフォンをいじる習慣をやめることができる。自制心とは、一つの習慣を自制する力が身につくと、そのほかの習慣に応用できる。脳が目先のドーパミンに惑わされず、長期の目標を追いかけるように強化される。
まさにジムで鍛える過程と同じである。当初は5kgのダンベルを持ち上げるだけで精一杯だった腕が、いつの間にか15kgを悠々と持ち上げられるようになっている。そして、一度重量が増えていく感覚を覚えれば、胸や脚などに、重量の増やし方を応用していける。
自制心を磨くための本
7つの習慣
『7つの習慣』は自制心に関する本ではないが、自制心を突き詰めるとこの本に辿り着く。
つまり、自制を行うとは、「自制した先に何を望むのか」を考えることに他ならないから。そして、自制した先の自分とは、真の人格者であり、『7つの習慣』がテーマとするところである。