人間には、思考や判断に影響を与える様々な要因がある。その中でも視点・視野・視座は、情報のインプットの仕方によって大きく変わってくる。この3つは、資本主義ゲームを攻略するために必須のスキルである。そのために必要なツールへの投資は惜しむ手はない。
旅行や読書、人と会うこと。さまざまな情報や新しい世界への接触により、視点・視野・視座を進化させることができる。
その中でも、特に有効な手段であり、見過ごされがちなツール、『雑誌』を取り上げたい。
雑誌は、自分の興味や関心に合う記事を専門家と編集者、そしてその出版社が大量の資金を投入して作成される。雑誌離れと言われて久しいが、だからこそ、雑誌を読むことで他者と差をつけることができる。雑誌の発行部数は年々減ってきている。
日本ABC協会の2022年上半期(1~6月)の雑誌発行社レポートによると、掲載誌全体の雑誌部数は平均10.3%のマイナスとなった。前年度から1割も雑誌を読む人が減っている。
このような情報を表面的に受け取ると「雑誌はもう古い」
しかし、見方を変えると、雑誌から得られる情報の希少価値が上がっていると言える。
視点の転換
まず、視点を変えるために必要なのは、新しい情報や刺激だ。雑誌は、読者が興味のあることをどんどんと深掘り、さらに消費欲を広げるためのマーケティングやデザインが施されているため、新しい知識や情報を手軽に入手することができる。自分の興味がある分野に関する雑誌を定期的に読むことは、新しい気づきやトレンドを知ることができる。
さらに、自分が全く興味のない分野に手を広げることも視点を変えるためのきっかけになる。
例えば、女性ファッションの雑誌『seventeen』を開くと、知らない世界が広がっている。
制服のトレンドというテーマであるが、この1ページからでも十分に洞察を得られる。若い女性がどのような商品に興味を持つかのマーケティング調査になるだろう。
・女子高生に人気の商品:紐リボン、ロゴパーカーなど
・若い女性向けのデザイン:パステル調の配色、抜け感のあるタイトル。
・ファッションの変遷:数年前と比べて、シンプルなファッションデザインが目立つ。個性を全面に押し出すための象徴というより、ロゴパーカーのようなワンポイントで差別化を図っている1このような洞察は、『ファッションで社会学する』『消費社会の神話と構造』を読むと得られる。。
このように、自分に興味のない分野に対して、単に読むことを楽しむというより、他の読者がどう感じているのか?を考えるために非常に有用だ。
視野を広げる
また、視野を広げるためにも、雑誌は有効なツールである。『週刊東洋経済』と『週刊ダイヤモンド』はどちらもビジネスに関する雑誌であるが、『週刊東洋経済』ではより専門的な内容であり、『週刊ダイヤモンド』は幅広い事項について書かれてある。
ビジネスに興味がある場合でも、『週刊東洋経済』で深掘りをしつつも、『週刊ダイヤモンド』を読むことで市況全体を見渡せる。
若い女性向けのマーケティングを考える上でも、『seventeen』と『vivi』を合わせて読むことで、より広い視野で見渡すことができるだろう。
視座を上げる
視点、視野、視座の中で、最もアプローチしにくいスキルは、視座だろう。視座とは、知識や情報だけでなく、価値観の変化や、それにアジャストしようともがく日々によって向上していく。
視座を上げるためにも、雑誌は欠かせないツールだ。例えば『popeye』は創刊以来一貫して、都市生活を営む、男性のライフスタイルやカルチャーの発信をしている。『popeye』を読むことで、生き方や過ごし方を再考するきっかけとなり、文化や価値観を相対化できる。
いわば自身の変革。昨日と違う自分を送りたいという欲求こそが、視座を上げるための強力なドライバーとなる。
雑誌を効率的に読むために
とは言っても、月に何冊も雑誌を買うのは経済的な負担が大きい。特にこのブログの中心読者である20代の男性にとっては、他に投資をしたい対象があるだろう。
そこで、『楽天マガジン』をおすすめしたい。『楽天マガジン』は月額418円で、900誌以上が読み放題になる。
この記事で紹介した、『seventeen』『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』『popeye』はすべて楽天マガジンで読み放題になる。
他にも、『WIRED』『National Geographic』はおすすめだ。日本での生活から大きく異なる文化を取り上げているため、ライフスタイルや価値観が揺さぶられ、『視座』に大きく影響するだろう。