部屋の散らかりとストレス度合いの関係
いつもと違って作業の捗りが悪い時がある。作業内容自体は普段と変わり無いのに。
そのような時は、身の回りの整理整頓をしてみるといいかもしれない。
なぜなら、部屋の散らかりやディスプレイ上の視覚的な要素がストレス度合いや集中力に影響があるからだ。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の居住空間の散らかり度合いとストレスの関係についての研究では、部屋の散らかりがストレス度合いに相関することが明らかにされた。
実験では、物の少ない部屋と物が多く散らかった部屋に入室した実験参加者に対し、唾液アミラーゼの増加率を調べた。
その結果、物が多い部屋の方が、唾液アミラーゼの分泌量が多かったと言う。
ストレスが多い時は作業がうまく進まないのは、経験上わかるだろうが、そのストレスの原因がはっきりとしない時は、身の回りが散らかっていることが無意識にストレスにつながっているということも疑ってみると良いだろう。
ディスプレイの表示が集中力に与える影響
また、物質的な散らかりだけでなく、デスクトップの散らかりについても考慮すると良いかもしれない。
情報処理学会 インタラクション『PC 作業時の集中力向上のための作業用壁紙』において、5種類のデスクトップ背景によって、タスク完了速度と主観的集中量を計測した。
5種類のデスクトップ背景は、真っ白・真っ黒・内向き縞・外向き縞・点在するドットの5種類。
この結果、最も集中力が高まったとされたのが内向き縞で、1分間の短期的な作業においても、8分間の長めのテストにおいても有意に集中力が高かったと言う。
上記より、デスクトップの散らかり・ブラウザのタブやウインドウの数も集中力に影響を与えている可能性を感じる。
実際に、タブが多いとPCの処理が重くなるだけでなく、作業の進捗も芳しく無いことがしばしばだ。
まとめ
この記事では、物理的な空間の散らかりと、ディスプレイの壁紙における集中力の差異を示した研究結果を引用し、整理整頓による集中力向上について書いた。
集中ができない日は単に調子が悪いだけの可能性もあるが、すぐに結論を出さず、身の回りの整理整頓を行うと、その後の作業に良い影響があるかもしれない。